『片瀬のぞみだより』2月号
2月主題の聖句
「あなたがたは、もっと大きな賜物を
受けるように熱心に努めなさい。」
コリントの信徒への手紙一12章31節
園長 西 田 直 樹
パウロはコリントの教会の信徒たちに「あなたがたは、もっと大きな賜物を受けるように
努めなさい」と勧めています。ここでの賜物とはカリスマのことです。
カリスマと言うと特別な能力や資質を持ち、人格的影響力・信服力を持った預言者とか
呪術師、英雄を思い起こします。
しかし本来はカリスマとはカリス(恵み)・カリゾマイ(好意)・カイロー(喜び)を語源として、
恵み・好意・喜びが神より与えられた者を意味していました。ですから特別な能力や資質の事
ではなく、どんな人も子どもも神様から恵みや好意や喜びを賜物として与えられています。どの
人も、子どもも賜物を神様から与えられ、合わせ持っているのです。しかしその賜物がみな同じでなく、
その人、子どもによって異なっているのです。
すなわち、あの人にあって、この子にはないことが普通なのです。ですから、あの人やあの子には
]与えられていて、自分や自分の子には与えらていないこの現実を羨ましく、妬ましく思い、
劣等感に落ち込む必要はさらさらないのです。
いろいろ異なって違っていてそれで良いのです。それぞれが支え合い、補い合って一致が
生み出されていくのです。特に弱いと言われる部分、劣っていると言われている部分、
見劣りがする部分が却って全体にとって必要不可欠な部分であり、そこを互いに助け合ってこそ
全体の喜びになっていくのです。
] これは理想ではなく、子どもの世界からわたしたち大人が学び取らなければならない課題でしょう。
では「もっと大きな賜物を受けるように熱心に努めなさい」とはどういうことでしょうか。
「もっと大きな賜物」とは自分にないがあの人は持っている「もっと大きな賜物」が与えられるように、
またそれを獲得出来るように熱心に努力しなさいと言っているのでしょうか。
聖書では31節に続けて「そこで、わたしはあなたがたに最高の道を教えます」と言って
13章以下で「愛」について語ります。「もっと大きな賜物」「最高の道」とはキリストによって
示し表していただいた「愛」のことです。
「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、
自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、
すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」(13章4~7節)そのような愛が賜物として神様から
]与えられるように熱心に努めなさいと勧められているのです。熱心に祈り求めなさいと勧められているのです。
さて今年度は残すところ1ケ月半となりました。私どもは子どもの成長を願って熱心に祈り求めてきました。
]しかし主イエスに教えて頂いた「愛」を子どもたちに増し加えてくださいと熱心に祈ってきただろうか、
この親である自分に「愛」を増し加えてくださいと熱心に祈ってきただろうか、振り返ってみましょう。